弁護士コラム|『誠実な破産者』??|高蔵寺事務所

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弁護士コラム
Column

『誠実な破産者』??

2021年04月30日
名古屋丸の内本部事務所  弁護士 丸山 浩平

 『誠実な破産者』という言葉を聞けば,破産をネガティブに考えられている方にとっては「破産する人なのに誠実ってどういうこと?」と不思議に思われるかもしれません。
 ​ 確かに「Mr.Children」や「きれいは汚い」のような相反する言葉の組み合わせにも見えるかもしれません。
 ​ この『誠実な破産者』とは,最高裁(最高裁昭和36年12月13日決定)でも用いられているフレーズであり,私が急に思いついた言葉ではありません。

 ​​ 上記裁判例は,破産手続の免責制度(債務の支払義務を免れること)が憲法29条に定める財産権の保障に反するかという点が争われた事案です。その中で,最高裁は,免責制度が合憲である理由の1つとして,免責制度が『誠実な破産者』に対する特典であることを挙げたのです。
 ​ 最高裁のいう『誠実な破産者』の意味については,債権者に対する誠実性と考える見解もありますが,一般には「破産手続に協力すること」と解されています。

 ​​ つまり,破産手続において,破産者は,誠実に破産手続に協力する必要があり,自己の財産を隠匿したり,債権者を偽ったりすることは許されません。これに違反した場合には『誠実な破産者』ではないとされ(裁判例では『不誠実な破産者』と呼ぶことがあります),免責が認められないことがあります。
 ​ そのため,弁護士は,ご依頼者の通帳や家計の状況を細かくチェックしたり,債務増加の経緯を丹念に聴き取ったりします。ご依頼者にとっては,面倒な聴き取りもしれませんが,これらはご依頼者が言いそびれてしまった事情が後から発覚し『誠実な破産者』ではないと裁判所から思われないために行っているものなのです。
 ​ 破産手続では,破産者がいかに『誠実』であるかを裁判所に示すのも弁護士の仕事になります。

 ​​ ご依頼者が『誠実』であることを弁護士も知るためには,やはり何度も面談を重ねることが重要だと思います。
 ​ 弊所は,愛知県名古屋市の本部のほかに春日井市,小牧市,津島市,日進市,岡崎市,三重県津市,伊勢市,岐阜県大垣市,静岡県浜松市,静岡市,東京都自由ヶ丘に支所がありますので,お近くにお住まいの方で破産をご検討されている方は,一度ご相談いただければと思います。